「性暴力訴訟」二次被害に対する謝罪と今後の対応について

 日本基督教団の無任所教師(当時、聖路加国際病院チャプレン)から性暴力を受けたとして、以前から治療を受けておられた女性患者がA牧師と病院を運営する聖路加国際大学を訴えていた裁判では、2022年12月23日、東京地方裁判所による判決が下され、原告の意に反して性的自由を侵害したとして、A牧師と病院側に110万円の賠償が命じられています。

 性暴力を受けられ苦しみ続けて来られた被害女性の心痛は計り知れないものですが、それにも増して事件発覚時に組織された「A牧師を支えて守る会」が出した声明文によって原告の方に二次被害をもたらしたこと、特にSNS(フェイスブック)を通じて伝えられた「A牧師を支えて守る会」側の主張に対して、賛同する発言をし同意の意思を表明した人々の中に日本聖書神学校関係者が含まれていたことに鑑みて、長年にわたる苦痛と度重なる被害に遭われたことに早期に気づき、その改善に努めることが出来なかったことを真摯に反省し、二次被害に遭われた原告の方に、日本聖書神学校そして同窓会として謝罪致します。

 2022年12月28日付、日本基督教団総会議長・総幹事連名の声明文にもありますように、このような痛ましいことの再発を防止するためには伝道者の養成と育成を目的とする神学校における教育的取り組みの中で、これまで以上に性暴力をはじめとするハラスメント並びに二次被害に関する学習と啓発に努める必要があります。そこで、全学年を通じて再発防止のための学習と啓発の時間を2023年度カリキュラムに設けることによって継続性を持った取り組みをして参ります。また神学校・同窓会においては、ハラスメントの事案に対して早期に対応すると共に、学生、教職員、同窓生(会友含)に対し、二次被害を生み出さずまた加担しないよう、冷静かつ慎重な対処を求めることを約束致します。

2023年1月16日        

日本聖書神学校 校長   神保 望 
日本聖書神学校 同窓会長 小河由美子